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私は政治汚職を擁護するつもりはない。しかし検察だけが政治汚職を解決するというのは、正しいことではないと思っている。政治汚職を解決する手段は選挙でなければならないと考えている。
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私には連日報道されている小沢氏の金銭問題について論評する資格はない。ただニュース・新聞で伝えられている程度のことしか知らないからだ。
正直言えば、うまく乗り切って、マスコミと国民の注目がこの問題から、予算、景気、さらには教育・医療・年金など、国民生活の根幹に移って欲しいと願っている。
だからといって、政治汚職を大目に見て、ただ仲間の汚職議員を守るだけのために、野党の汚職追及を批判することも良くないと思っている。
ではどうすべきか。結論から言えば、政権交代をくり返すことで、政治家と官僚、政治家と業界、官僚と業界の関係を固定化させないという形で、要は選挙で、汚職を政界から一掃していくのが私の理想だ。
というのも、検察の捜査がとても重要であることはまったく否定できないが、これだけが政治汚職を解決する手段ならば、一般国民は汚職に関して、あまりにも無力すぎないか。国民の一票一票で政界から汚職を追放していくほうが、国民のイニシアティブによる解決にならないか。
さらに重要なのは、いままでたくさんの汚職事件がくり返され、そのたびに検察が政治家を捜査し、そのうち幾人かは逮捕され、政治的ではなく、法律的に罰せられた。しかしそのうち多くが選挙では有権者に受け入れられることで、「みそぎ」を済ませたとして、裁判中にもかかわらず、政界に戻ってきた。
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その第一の原因は、自民党政権下では、政治の第一の仕事が利益誘導だったことだ。選挙区の有力な議員が地元の業者に公共事業を与えることで、その業者が潤い、その業者はその議員の選挙運動を手伝う。
地元の経済は公共事業を中心に成り立つ。くり返すが、まず当の業者が儲かる。そこに社員の家族が集まる。その家庭の必需品が地元の商店で売られる。そこに雇用が生まれる。
物が売れれば製造業者も儲かる。すると業者と同じように、そこに家族が住み、その消費が促される。子供たちは学校に行く。そこにも新たな雇用が生み出される……。
この好循環が戦後の地域経済を支えてきた。だからその源泉である公共事業を持ってきた議員はその選挙区の英雄になるのだ。
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しかし汚職議員が政界に返り咲くもう一つの原因は、その議員が所属する与党が下野する見込みがないことだ。すなわち自民党が野党に転落する可能性が、選挙前からありえなければ、地元の自民党議員もその権力を保持しつづけると選挙区民は予測できる。
その予測のもと、その議員を支持しつづける。その議員が当選を重ねれば、さらにその権力は強まり、もっと大きな公共事業を持ってきて、地域経済が潤いつづける……。
この関係が続けば、政治家と業者との関係は強くなる。最終的に公共事業の行き先を決めるのが官僚なら、政治家と官僚との関係も強まり、業界による官界への働きかけも重要なら、官僚と業者との関係も強まる。
この固定化した関係を断つのが政権交代だ。10年か、長くても20年に一度は必ず政権が交代することが前提であれば、業者にとっても、官僚にとっても、特定の政治家との関係を固定化することは危険だ。
なぜなら、政権が交代し、新たな政党が政権に就くと、新与党は下野したばかりのいままでの与党とその支持者に報復するだろう。もしこういうことが事前にわかっているならば、業者も、官僚も特定の政治家に近づくことを恐れるから、そこに癒着関係は生じにくくなる。
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ではいまの小沢問題の長期的なマイナス面とは何か。それは国民が、昨年やっと育ちはじめた政治に対する希望を失い、完全にしらけてしまうことだ。私は民主党がしばらく政権を続けないと、自民党長期政権の欠陥は完結できないと考えているから、今夏の参議院議員選挙でも民主党が勝つことを望んでいる。
しかしだからといって、これからの政治が攻守を入れ替えた55年体制になってもらっては困る。つまり絶対に政権交代がありえないにもかかわらず、野党が口先だけで選挙前に与党に挑戦した振りをする政治だ。
55年体制下の社会党は、議員定数の過半数の候補者さえ揃えていなかった。これでは全員当選しても(これ自体が不可能)、政権を獲得することはできない。
本当に緊張感のある政治とは、検察が政治家をどう扱うか(逮捕か? 在宅起訴か?)に国民が注目する政治ではない。国民がエキサイトする、緊迫感あふれる政治とは、与党が失政すれば(それが公約違反だろうが、不人気な政策だろうが、金銭汚職だろうが)いつでも政権を失いうる政治だ。
だから今回の問題は平穏に終わって欲しい。短期的には小沢氏が血祭りにあげられたほうがマスコミ受けするかもしれないが、われわれはもう少し長期的視点に立って「日本の民主主義」という観点から何が大切かを考えるべきだろう。
(このコラムは毎月1日と15日の月二回。次回は2月15日です。)
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